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犬のトリミング記録ノート|5項目で仕上がりがぶれない

「前回、耳はどうしてもらったんだったかな」。予約の電話をしながら、あるいはサロンのカウンターで、記憶をたぐり寄せた経験はありませんか。気に入った仕上がりだったはずなのに、次の回では少し違う雰囲気になって、なんとなくもやもやしたまま帰ってくる——これは飼い主さんの伝え方が下手なのではなく、2か月前の記憶が残っていないという、ごく当たり前のことが理由です。この記事では、スマホのメモでも手帳でもできる「ケア記録」の5項目テンプレートと、比べやすい写真の撮り方をご紹介します。

仕上がりがぶれるのは、記憶が消えるからです

トリミングの間隔は、多くの場合1か月から2か月ほど空きます。その間に季節は変わり、毎日の暮らしも流れていきます。「今回はちょうどよかった」という感覚は、驚くほど早く薄れていきます。

サロン側にもカルテはありますが、そこに残るのは主に施術した内容です。「飼い主さんがどう感じたか」「帰宅後どうだったか」は、伝えない限り記録されません。つまり、仕上がりを安定させるために足りていないのは技術ではなく、前回の情報を次回に橋渡しする仕組みであることが少なくないのです。

ここで大事にしたいのは、記録を「義務」にしないことです。毎回きっちり書かなければ意味がない、と思った時点で続きません。書ける日だけ、書ける項目だけで十分です。3回分たまれば、それはもう立派な基準になります。

記録ノートの5項目テンプレート

項目は5つに絞ります。多すぎると続かず、少なすぎると役に立ちません。スマホのメモアプリに1ページ作って、毎回コピーして使うのがいちばん手軽です。

① カット内容 全身の長さと、気になるパーツを分けて書きます。「全体短め、顔は丸く、耳は長さそのまま、足先は四角く」といった具合です。ミリ数を聞けた場合はそれも添えますが、分からなければ言葉のままで構いません。

② 使ったシャンプー サロンで複数のシャンプーを扱っている場合、どれを使ったかを聞いておくと、仕上がりの手触りやにおいの持ち具合を比べられます。自宅で使っているものを持ち込んだ日は、その旨も書いておきます。

③ 所要時間 預けた時刻と迎えに行った時刻だけで十分です。前回より長くかかった回は、毛玉が多かった、途中で休憩が必要だったなど、何かしら理由があることが多いもの。回数を重ねると「この子は何時間くらいが標準か」が見えてきます。

④ 帰宅後の様子 その日の夕方と翌日、どう過ごしていたかを一行で。「夕方まで寝ていた」「いつも通り散歩に行けた」程度でかまいません。トリミング後に静かに過ごす子は珍しくありませんが、続いて食欲が落ちる、特定の場所を気にして舐めるといった変化があれば、そこも書き残しておきます。

⑤ 次回の希望 これがいちばん役に立つ項目です。帰宅して数日経つと「耳はもう少し短くてよかった」「足回りはこの長さがちょうどいい」と感じる瞬間がよくあります。そのときに1行だけ書き足しておけば、次の予約で迷いません。

迷ったときの書き方——数字より「暮らしの場面」

長さを記録するとき、ミリ数が分からなくて止まってしまう方が多いのですが、数字でなくても構いません。むしろ役に立つのは、暮らしの中でどう感じたかという表現です。

  • 「この長さだと、散歩のあと足を拭くのが楽だった」
  • 「目にかかって気にしていたので、次はもう少し短く」
  • 「冬服を着せたら脇が絡んだので、次は脇を薄めに」

こうした書き方なら、専門用語を知らなくても正確に伝わります。サロン側も「ではこの部分を1センチほど短くしましょうか」と具体的に提案しやすくなり、カウンターでの会話が驚くほど早く終わります。

また、体調に関わることを書くときは、判断せずに見たままを書くのがコツです。「皮膚炎だった」ではなく「右の後ろ足を、帰宅後によく舐めていた」。原因の見立ては専門家に任せ、記録には事実だけを残します。赤みやかゆがる様子が続く、においが変わったなど気になる変化があるときは、自己判断せず動物病院にご相談ください。

写真は「同じ角度・同じ場所」で3枚

文章だけでは残しきれないのが、全体の雰囲気です。そこで写真を添えますが、ここにもコツがあります。毎回ばらばらの角度で撮った写真は、比べられません。

撮る場所を家の中で1か所決めてしまいましょう。リビングのラグの上、玄関の床、同じソファの前——背景と明るさが同じなら、毛の長さや色味の違いが素直に見えてきます。窓際の自然光が入る場所だと、季節による明るさの差は出ますが、照明の色に引っぱられにくくなります。

枚数は3枚で十分です。

  1. 真横から全身(立っている状態、カメラは犬の背の高さに合わせる)
  2. 正面から顔(目線の高さから、顔の輪郭が分かるように)
  3. 気になるパーツの寄り(耳、足先、しっぽなど、その回に注目している場所)

撮るタイミングは、トリミングから帰宅した当日と、次の予約の直前。この2枚があると「仕上がりの状態」と「伸びた状態」の両方が分かり、どこから先に崩れるかが見えてきます。

スマホの写真アプリでアルバムを1つ作り、愛犬の名前をつけて放り込んでおくだけで十分です。日付は自動で記録されるので、前回からの日数も後から確認できます。

サロンとの会話が、これだけ短くなります

記録があると、カウンターでのやりとりはこう変わります。

記録がない日は「前回と同じくらいでお願いします」から始まり、「前回は……どうでしたっけ」と記憶を探る時間が生まれます。記録がある日は、スマホを開いて「前回はこの写真の長さで、耳だけもう少し短くしたいです」と見せるだけ。それだけで、長さの認識が飼い主さんとトリマーの間でそろいます。

さらに所要時間の記録があると、「前回は3時間でしたが、今日は毛玉が多いので少し長めにかかりそうです」といった説明も腹落ちしやすくなります。帰宅後の様子を伝えておけば、次回は休憩を多めにとる、乾かす工程を分けるといった配慮につながることもあります。GROOM HAUSでも、写真を見せていただけると仕上がりの共有がぐっと早くなるのを日々感じています。

伝え方そのものに迷いがある方は、/first に初めての方向けの流れをまとめていますので、あわせてご覧ください。

続けるための、ゆるいルール

最後に、記録を長く続けるための考え方をお伝えします。

書くのは「帰りの車の中」か「その日の夜」まで。 時間が経つほど書けなくなります。逆に言えば、その日のうちに5行書ければ、それ以上は何もしなくて大丈夫です。

全部埋めなくていい。 所要時間だけの回があっても、写真だけの回があっても構いません。空欄のある記録は、まったくない記録よりずっと役に立ちます。

きれいに書かない。 清書しようと思った瞬間にハードルが上がります。走り書きの箇条書きで十分です。

年に一度だけ見返す。 1年分たまると、「夏はこのくらい短くした」「冬は伸ばし気味だった」という季節の流れが見えてきます。翌年の予定が立てやすくなるのは、このタイミングです。

まとめ|記録は、愛犬の「取扱説明書」になっていく

ケア記録は、管理のための作業ではありません。年に数回しか会わない相手に、わが子のことを正確に伝えるための手がかりです。

カット内容・使ったシャンプー・所要時間・帰宅後の様子・次回の希望。この5項目と、同じ場所で撮った3枚の写真。それだけで、「おまかせで」としか言えなかった日々は確実に変わります。

書けない回があっても、気にしないでください。半年後、1年後に見返したとき、そこには愛犬だけの取扱説明書ができあがっているはずです。

次回のご予約やご相談は、予約アプリやLINEからもお受けしています。メニューの内容は /menu をご覧ください。

この記事は一般的な情報をまとめたものです。愛犬の体調や皮膚の状態で気になることがある場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。

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